年賀状の返事がSNSは不義理か
年末年始になると多くの人が触れる機会がある年賀状。SNSの普及によってアナログなハガキからデジタルでのやり取りが増えてきた。僕自身も近年はほとんど自分から年賀状を出すことはなく、ほとんどメッセージでやり取りをするようになっていた。
しかし去年結婚式を挙げたことで、来てくれた友人へお礼の意味も込めて年賀状を送った。たった複数枚に多少でも時間をかけて書いて送ったのは何年振りのことだったろう。
年が明けて、返事のほとんどがLINEで返ってきた。
あれ?新年の挨拶ってこういうものだっけ。
ここ最近ずっとSNSで生きる生活をしていたものだから、思わず困惑してしまった。
そこで検索してみると、相手との関係や距離感にもよるが、アナログの年賀状に対する返事をLINEなどで返すことは「気にならない」という意見が多かった。
確かに返事が欲しくて書いたわけじゃなかったが、「返事も年賀状で来るもの」という考えはもう既に時代遅れだったようだ。ネットの波に乗って生活をしていたつもりが、部分的に過去にとらわれていたのが分かった瞬間だった。
そんな中で、ある考えが一定数あった。
年賀状はいらないという意思表示
というものだった。
これが妙に納得できた。相手の中に、もう年賀状を出すという文化はないというのがはっきりと分かるし、それであれば来年から自分も相手に合わせることができる。
兼ねてから僕は「他人と何から何まで100%考えが一致することはあり得ない」という考えを持っていた。しかし、どこかで自分の常識は相手にも通ずると思っていたことをこの考えを見たことで気付かされた。
それでも…
レコードが今CDや配信という形に変わっているように、文化は変化するものだ。
年賀状だって同じだ。紙で送り合っていたものがデジタルに変わりつつあるということなのだろう。
そうしたら年賀状も、いずれはレコードやカセットのように触れる機会すらなくなるのだろうか。そう考えると、やはり少し寂しいものがある。
実際、年賀状を送ってくれた友人の手書きのメッセージには温かみを感じる。この温かみは、スマホやPCの画面に映るような機械的な文字からは到底感じることができないものだ。この温かみを送ってくれる友人を僕は特に大切にしたい。